【病院と薬局が連携】電話で副作用を早期発見‐薬局薬剤師の介入効果を検証

長崎大学病院と長崎県薬剤師会は今年7月から、同院外来で経口抗癌剤を処方された患者に対して薬局薬剤師が電話をかけて状況を確認することで、副作用の早期発見につながるかどうかを検証する臨床研究を開始した。病院と薬局が連携する「プロトコールに基づく薬物治療管理」(PBPM)として具体的な手順を設定。薬局薬剤師はそれに沿って来局日から次回受診日の間に1回以上電話をかけて状況を確認し、その情報を長崎大学病院にフィードバックする。主治医は必要に応じて対応を指示し、副作用の重篤化を防ぐ。来年6月末までに患者50人の参加を得た上で、データを解析する計画だ。

対象は、長崎大学病院の外来を受診し、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤またはカペシタビンが含まれる院外処方箋を薬局に持参した癌患者。

薬局薬剤師は初回来局時に研究参加の同意を得て、次回受診日までの間に電話をかける日を決定。その日時を記入した「お薬電話支援予約票」をお薬手帳に貼って患者に渡す。予約日に、薬局薬剤師は患者に電話をかけて服薬状況や副作用の有無などを聴き取る。その内容を患者状況提供書に記入し、長崎大学病院薬剤部にFAXで送信する。

病院薬剤師は、患者状況提供書の内容を電子カルテに取り込み、副作用が発生している場合は主治医に報告。主治医は必要に応じて副作用の対応を指示し、重篤化を防止する。

薬剤ごとに作成された患者状況提供書には、手足症候群や下痢、吐き気、食欲不振、口内炎、皮膚障害など確認すべき副作用や、薬局薬剤師が行う指導内容を細かく記載。同提供書に沿って薬局薬剤師が標準的な業務を行える仕組みになっている。

2回目以降の来局時も同様の方法で患者を支援し、経口抗癌剤の処方終了時か、来年12月の研究期間終了時まで支援を続ける。この研究には既に患者20人以上の参加を得ている。

【文責】登坂紀一朗(薬剤師)