薬剤師も減薬に対する高い意識を

高齢者の多剤併用(ポリファーマシー)に関する問題点は、数を減らせば良いと捉えられている点だ。東京大学大学院加齢医学講座の秋下雅弘教授は、

ポリファーマシーの概念について「多剤服用で特に身体に害をなすもの」と説明。薬害有害事象やアドヒアランス不良などの多剤に伴う諸問題を指すだけではなく、過量や重複投与といった不適正処方も含む概念であると解説しながら、「一般的には6剤以上で薬物事象の頻度があがり、5剤以上で転倒リスクも高まるが、これらを下回るからといって、ポリファーマシーに該当しない訳ではない。むしろ数にこだわって高齢患者特有の多病の視点を見逃すことのほうがリスクだ」と強調した。

そもそも、治療による益と害は「加齢により変化する。ただ、後期高齢者や要介護者において、どのように変化するかは患者ごとに異なる」と語り、特に慎重な投与を要する薬物などの存在を十分に認識することが求められるとした。

【文責】登坂紀一朗(薬剤師)